未完の大器のままでは終われない-。ソフトバンク・リチャード内野手(23)が27日、プエルトリコでのウインターリーグ(WL)参加のため離日した。「(WLには)いい投手がいっぱいいると思う。それをしっかり打って自信にしたい」。リチャードは口元を引き締め機上の人となった。

大砲覚醒か、と期待された今シーズンだったが、終わってみれば悔しさしか残らなかった。23試合に出場し、打率1割5分9厘。3本塁打。飛躍どころか昨年の数字を下回った。「試合数も昨年(34試合)より少なかったですし、もっともっとやらないといけないと思います」。今季の2軍戦では29本塁打を放ってウエスタン・リーグ新記録を作ったが、1軍成績との大きなギャップに藤本監督の採点も厳しい。来春のキャンプA組入りは約束しながら“武者修行”での成長に期待を寄せた。「リチャード君も来年勝負。ラスト勝負のくらいの気持ちでやってもらわないと。(WLでは)150キロを投げる投手はたくさんいると思う。それをいかに打てるか。そこで確率を上げれば来年チャンスあると思う」。リチャードも3軍時代から見守ってくれた“恩師”の気持ちは分かっている。「どれだけ速い球に自分の打撃が通用するか、しっかり試したいし、レベルアップしたい」。帰国予定は12月下旬。心身ともに成長した姿で帰ってくるつもりだ。【佐竹英治】