大化け期待! 阪神は13日、ジェレミー・ビーズリー投手(27=前パイレーツ)と来季の選手契約を締結したと発表した。推定年俸は80万ドル(約1億1200万円)で、背番号は「99」に決定。27歳のリリーフ右腕は、ピアース・ジョンソン投手(31=パドレスFA)、ロベルト・スアレス投手(31=パドレス)ら元虎助っ人のように、日本でさらに才能を開花させる可能性も秘める。期待に満ちた阪神の今オフ、新外国人獲得第1弾だ。

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力強い“第一声”だ。岡田体制の助っ人第1弾として、ビーズリーの獲得を発表。191センチ右腕は球団を通じてのコメントに、熱い思いを込めた。

「日本でプレーする機会をいただいてタイガースに感謝するとともに光栄に思います。興奮していますし、甲子園球場のマウンドに上がる日を心待ちにしています。来シーズン、タイガースの優勝に貢献できるように全力でプレーします。Go タイガース!」

いきなりのV宣言。ブルック夫人、愛犬とのスリーショットの中央で、ひげをたくわえ笑顔の写真も届けられた。

岡田監督は「場所はまだ分からへんけどブルペンとして使う」と中継ぎ起用を明言した。今年の夏場に痛めたという膝の状態も「メディカルチェックして1年間いける言うんで」と、ゴーサインを出した。来季守護神は湯浅が最有力。残留が決まっているケラー、岩崎らとともに勝ちパターンの1人として、その存在は「そら重要よ」とした。

まだ27歳で伸びしろあり。19年に58試合で防御率1・38のジョンソン、20年から2年連続セーブ王のスアレスら虎の元助っ人のように、日本で覚醒する可能性もある。嶌村球団本部長は「近年、スアレスとかPJもそうやし、こちらで頑張ろうというのは(意欲が)出てくるんでね。期待感は大きな投手です」。大化けの予感が漂う。

今年はメジャーで9試合に登板。投球の約6割を占めた直球の平均球速は152キロ。スライダーに加えフォーク、スプリット、チェンジアップの落ち球も操る。昨年6月の現地報道によると、ジョージア州の自宅では、バケツのふたを9つ用意し9分割と見立てた自作のストライクゾーンに、約1000球の投げ込みを行い制球力を身につけたという雑草魂の持ち主だ。ビーズリーがジャパニーズドリームをつかめば、来季18年ぶりのリーグ優勝にもグッと近づく。【中野椋】

<20代で阪神に加わり活躍した主な外国人救援投手>

◆ドリス 16年に28歳で阪神に加わった。同期入団で同じドミニカ共和国出身のマテオと、鉄壁のコンビを形成。2年目の17年から抑えに転じ、通算96セーブは球団3位、外国人投手では最多を誇る。

◆ジョンソン 28歳で19年に阪神入り。58試合で58イニング2/3を投げ91K。奪三振率は13・96に達した。とりわけ甲子園に強く、27試合で自責点0。メジャー復帰を希望し1年で退団したのが何とも惜しまれる。

◆スアレス ソフトバンクを退団し、29歳で20年に阪神移籍。20年25セーブ、21年42セーブで、2年連続セ・リーグ最多セーブの大活躍を見せた。17年に受けた右肘手術から、華麗に復活を遂げた。(年齢は来日年の満年齢)

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