楽天島内が最多安打のタイトルを獲得した。これまで楽天からは首位打者が2人、本塁打王が2人、打点王が2人、盗塁王が1人誕生しているが、最多安打は初めてとなった。今季は3番で1試合、4番で141試合に出場。161安打はすべて4番で記録した。4番打者が打った安打は99年ローズ(横浜)の192本が最も多く、パ・リーグでは84年ブーマー(阪急)04年松中(ダイエー)の171本が最多。島内の161本はパ・リーグの4番打者では9番目に多かった。

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島内のタイトルは昨年の打点王に次いで2個目。30歳の20年まではタイトルに無縁だった。打率、本塁打、打点、安打の打撃4部門の初タイトルが31歳以上だったのは島内を含め25人いる(外国人選手を除く)。うち22人は獲得したのがその1年だけ。後に再び4部門のタイトルを取ったのは、31歳だった広島時代の78年に首位打者、阪急時代の83年に打点王の水谷、34歳の19年から2年連続最多安打の大島(中日)に次いで3人目だ。島内のように30歳までの無冠からタイトル常連は珍しい。

タイトルホルダーへの仲間入りは、「左」がポイントだった。30歳までは対右投手が打率2割8分9厘、対左投手が打率2割4分と左腕を苦手にしていたのに、この2年は対左投手の打率が2割8分2厘で、右投手よりも高い。安打方向も左が増え、左翼へ打った安打の割合は30歳までの22・4%から30・1%へ。今季は左腕からプロ入り最多の54安打したが、方向は左19本、中16本、右14本、内野安打5本。左腕から左翼へ流してヒットを稼いだ。「左」を攻略した島内が31歳の打点王、32歳の最多安打に続き、33歳の来季はどのタイトルを狙うか。【伊藤友一】