キャンプインから球春到来。6年ぶりの「世界一決定戦」、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕も約1カ月後に迫ります。侍ジャパンへのエールを込め、「MY WBC」を紹介します。第5回はDeNA編です。

    ◇    ◇    ◇

DeNA相川亮二チーフ作戦兼バッテリーコーチ(46)は、国際大会の独特な緊張感を今でも鮮明に記憶する。自身2度目のWBC出場だった13年の初戦、ブラジル戦。楽天田中将とバッテリーを組み、1回裏の投球練習の1球目だった。いつも通り捕球し、返球したつもりだったが、田中将がバランスを崩すほどボールを引っかけた。

「あっ、やばい、やばいと。こんなふうになるんだなと。そこからは普通にはできたんですけど、それくらい何かが違う雰囲気があったと思います」

振り返れば、国際大会はイレギュラーの連続だった。13年は大会3日前の練習中に正捕手の巨人阿部が右膝を負傷。目の前で異変が起きた瞬間を目撃した。「練習でも、試合でも、生活でも国際試合というのは本当にいろんなことが起こるイメージ」。

ブラジル戦は初回に先制され、1点を追う8回に3点を奪って、辛勝した。「多くの方が勝つだろうって中で、まさに見えない敵とも戦ってる感じ」と回想。「回が進めば進むほど焦りも出てくるので、早めに1点を取ることがすごく重要になる」と先手必勝をカギに挙げた。【久保賢吾】