西武の宮崎・南郷キャンプに日米通算170勝の球団OB松坂大輔氏(42)が、臨時コーチとして訪れている。2日目となった12日も、グラブを持ちながら精力的に指導した。

横浜(神奈川)のエースとして甲子園を席巻した後、98年ドラフト1位で西武入りした。同じドラフトで2位指名されたのが、赤田将吾1軍外野守備走塁コーチ(42)だ。

「今回はそんなに深い話はしてないですよ。LINEとかもしているし、会ったのが久々くらいで」

とはいえ、やはりうれしそうではある。

「ドラフトで一緒に入って、けっこう他の同級生よりは一緒にいる時間がたぶん、長いので」

逸材がそろった98年夏の甲子園。赤田コーチも、日南学園(宮崎)の大型二塁手として注目された。その後の日本代表合宿で松坂氏と出会い、秋の神奈川国体で対戦した。

会場の大和引地台球場(当時)が超満員になるほどの一戦。フェンスをよじ登って見ようとするファンもいた。初対戦。初球のスライダーを左翼への大ファウルにしたが、最後は156キロで三振に仕留められた。「大輔の計算通り、狙い通りらしいです。こんな高校生いるのかなと思いました」と苦笑いしながら25年前を回想する。

年齢と経験を重ね、コーチとしてグラウンドで再会した“盟友”は、やはり輝いて見える。

「本当にあれだけの成績を残した人物なんで、こういう形でも何でも野球に携わってくれてうれしい。ライオンズの臨時コーチということで、現場ももちろんですけど、ファンの前に来てくれるのはすごく貴重なことだと思います」

赤田コーチも西武、オリックス、日本ハムと渡り歩き、14年限りで現役引退した。その後、古巣での指導を続けている。今年は1軍外野守備走塁部門が担当。青春時代を過ごした日南で球春を迎えた。

いわゆる松坂世代も今は42歳だ。

「42歳だから、っていうのはないですけど、コーチになって8年目なので、選手時代やコーチとして積み重ねたものをどんどんアップデートしていきながら、選手と一緒にやっていきたいなと思いますね」

球友の一挙手一投足にフラッシュがたかれる中、赤田コーチは汗を流す若獅子たちの特訓に親身に付き添っていた。【金子真仁】

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