新社会人でもある西武青山美夏人投手(22)がいきなり、激動の3日間を過ごした。

ルーキーながら守護神に抜てきされた3月31日の開幕戦で同点弾を浴び、4月2日には見事なリベンジでプロ初セーブ。その日の朝に大好きな祖母を亡くしていた。

“新入社員”の立派な仕事ぶりを見つめた親心は、さて-。

父の洋さん(55)は1人息子を信じた。

「私の母の容体が1日の夜中に急変して、そのまま旅立って。彼にも、学生だったら伝えなかったんですけど、もう社会人ですから。試合前にLINEで報告しました。彼にとっては最高のおばあちゃん。動揺するかとは思いましたが、しっかり投げてくれて。投げないと倒れちゃう子。マグロと一緒です。今日は絶対間違いないって、確信してましたね。本当にいい顔になってきたと思います。もう安心しています」

母校横浜隼人(神奈川)の水谷哲也監督(58)の目にも頼もしく映った。

「本塁打打たれても崩れなかったじゃないですか。昨日も(横浜隼人の先輩)宗に打たれても、堂々と落ち着いて投げた。青山や宗の背中を追いかけていこうと、さっき部員たちに言いました。堂々とやろうよと。横浜隼人みんなの励みです。おばあちゃんが亡くなってショックなはず。社会に出て、出会いや別れをたくさん経験して成長していって、いつか子どもたちの憧れの人になってほしいなと願っています」

この3日間、入社式に臨んだ若者も多い。夢や希望に満ちた若者に、チャンスはすぐに訪れたり、何年もかかって突然現れたり。

いつでも、どこでも、見てくれている人は必ずいる。【金子真仁】

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