勝利のハイタッチを終えたDeNA山崎康晃投手(30)は、ベンチ前でエスコバーを優しく抱き寄せ、ソッと声をかけた。

「慰めになるかわからないですけど、今日のことを引きずらないようにと思って。そんな言葉は多くなかったですけど、何か伝わってくれればいいなと思って、ああいうふうに表現しました」。長年、「勝利の方程式」を形成する大事な仲間との絆を感じさせた。

1点リードの9回を3者凡退で締め、今季6セーブ目を挙げた。勝利を喜ぶ笑顔の裏で、エスコバーのことがずっと気がかりだった。一時逆転を許した7回、降板直後にベンチでグラブを投げ付けながら激高した。「彼がああいうふうに感情をあらわにする姿はなかなか見ないし、みんなもびっくりしてたので、僕もそこは思うことがあって」。言葉と体で思いを伝えるために抱擁した。

3失策ありながら、投打でカバーしあって、カード勝ち越しを決定。三浦監督政権下では初、チームでは18年4月23日以来の単独首位に浮上した。投手キャプテンの山崎は「勝ちに結び付けられたのは、非常に大きいと思います。今日みたいに誰かがカバーして、フォローしていくことが大事。苦しさを分かち合いながら、励まし合いながら、スクラムを組んで戦っていきたいと思います」とチーム一丸を強調した。【久保賢吾】

▽DeNA佐野(8回に同点の2号ソロ) 捉えた感じ、手応えは良かったですが、打球が低かったので本塁打になるとは思っていませんでした。同点に追いつくことができ、よかったデスターシャ!」

▽DeNA三浦監督(全員でカバーしあって、広島に競り勝ち) ミスもあった中でも、みんなが何とかしようと。結果的にチームが勝ったことで、みんなが救われたと思います。

【関連記事】DeNAニュース一覧