楽天渡辺翔太投手(22)が、雪辱を果たした。最大6点リードから1点差に詰められた7回に3番手として登板。直球は自己最速の154キロをマークし、先頭柳町を右飛、栗原を空振り三振、今宮を左飛と3者凡退でマウンドを降りた。6月28日ソフトバンク戦では1回1失点で敗戦投手。翌日も1死も奪えず2失点を喫した相手だった。「僕を投げさせてくれて。まずは感謝の気持ちを込めて、思いっきり投球しました」と笑顔だった。

球界で希少な武器を有効に使った。この日の投球14球中、7球がパーム。遅く、落とし、打者を揺さぶり続けた。中学時代からの決め球だが、ケガのリスクも高い球だった。北九州高3年の5月、練習試合の相手校の監督から封印を勧められた。「『投げすぎるとやるよ』と言われて。やっぱり怖かった」と振り返る。パームを使うと、前腕が重い筋肉痛になる日々。スライダーも横変化から縦変化に変わり投球に影響が出た。酸素カプセルに入るなど、ケア方法を勉強。九産大入学後から解禁し、武器を磨いて22年ドラフト3位指名をつかんだ。

6月3日に初めて出場選手登録され、13試合に登板し、すでに2勝。防御率は2・08と、結果を残している。「しっかり1つずつをテーマに抑えられたので、それがつながったのかな」と手応えをつかんでいた。【湯本勝大】

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