西武佐藤龍世内野手(26)は唇をかみしめ、絞り出すように言葉にした。

「反省しないと…いけないです」

3回裏。すでに6失点した状況で、7失点目につながる失策をした。5回表、オリックス山岡から2点適時打を放ち、こぶしを握った。「自分のミスで失点しまったので、なんとか食らいついた結果が」。

再逆転へチームを勢いづけた一打だっただけに、6回裏が痛かった。2死一、二塁。4番手ティノコが紅林に三塁へのゴロを打たせたものの、佐藤龍は二塁へまさかの悪送球。8点目がオリックスに入り、その後さらに3点が加わった。

松井稼頭央監督(47)は「龍世は今年はよく最初から最後まで練習をしているし、その姿は十分見せてくれている」と話す。試合前は三塁に加え、チーム編成上、捕手の練習に加わる時もある。

打撃練習の量が減らぬよう、試合後、人知れず室内練習場で打ち込んでいる。東京ドームでの交流戦。ナイターの試合後に柘植世那捕手(26)と2人で打ち込むシーンがあった。たまたま気付いた松井監督が、投手役を務めた。

打撃の調子も上がり、この日は5番打者に抜てきされた。だからこそ。

「本当に期待していただいているのも伝わってきますし、それに応えられない自分が情けないですし。打つ打たないじゃなくて、勝てるためにやらなきゃいけないことができなかったです」

失策後には、三塁線の難しいゴロをしっかりアウトにした。体を張ってでも守れるよう、ひざを突くように低い姿勢で強打者たちの打球を待つ。

「まず練習…するしかないと思います。練習、頑張ります」

悔しい1日を忘れない。【金子真仁】

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