ロッテはチーム最年長の荻野貴司外野手(37)が、若手2人のつくったチャンスで左前適時打を決めた。3-3の9回1死三塁。楽天守護神松井裕の141キロフォークを捉え、前進守備の狭い三遊間を破った。「和田が二塁打を打って、友杉が送ってくれたので、何とかかえすことだけを考えた。全員がチームのためにやろうと出来た結果だと思います」。1点リードを許した7回にも1死三塁で左前に同点打を放つなど、今季初の4安打2打点1得点で存在感を示した。

試合前の練習は、吉井監督の発案で、選手、コーチ、スタッフ全員参加での青空ミーティングからスタート。右翼の芝生に円になって座った。指揮官の「優勝」「目的」の声に、ペルドモ、坂本、柿沼らが思いを語り、中村奨主将が締めた約7分間。荻野も「『一番ダメなことはミスを恐れること。チャレンジしていこう』の言葉が印象的だった」と心に留めた。初回先頭の打席で初球を二塁打して先制を導いた積極性はチャレンジの象徴だった。

22日からは3位ソフトバンク、首位オリックスとの6連戦が始まる。荻野は「グイグイ引っ張るタイプじゃないですが、自分の出来ることをしっかりやりたい」。リーグ制覇への目的意識を全員で再確認し直した1勝だった。【鎌田直秀】

▽ロッテ益田(9回を3者凡退に抑え31セーブ目)「ミーティングをやったから勝った負けたはないかなと思うんですけれど、姿は変わるんじゃないかなと思います。監督が集めてくれて本当に良い話が出来た」

▽ロッテ吉井監督(青空ミーティング後の粘り強い勝利に)「目的は何なのかを明確にしようと思って、それぞれ考えてもらうためのミーティングです。荻野は良く打ってくれました」

▽ロッテ西村(8回に2番手で登板し、2安打と四球で1死満塁のピンチを背負うも無失点)「チームの結果につなげていく自分の仕事を必死こいてやるだけ。結果オーライ。でも吉井さんにまた怒られる」

【関連記事】ロッテニュース一覧