首位オリックスが、ついに優勝マジック「24」を点灯させた。0-0の延長12回表2死。8番手の吉田が、中村奨を遊ゴロに打ち取ったところで、条件だった引き分け以上が決定。異例の試合中の点灯となった。試合後、伝え聞いた中嶋聡監督(54)だったが「そうですか、ということしか感想はないです」と全く意に介さず。最短で9月10日にもリーグ3連覇が決まる。

2位ロッテに9・5ゲーム差をつけるチームには、何事にも揺るがない強さがある。10勝目を目指した先発の山下は、腰に張りを感じて5回で降板。6回に緊急登板したのが、14年目のベテラン比嘉だった。「ワンアウトずつと。それはいつもと変わらないので」。わずか13球で1回無失点。不測の事態にも、全く動じる様子はなかった。「何も変わらないですよね。僕も最初から準備していますし。こういうこともありうることなので、仕事できたかなと思います」。平井投手コーチが「おつかれ様」とねぎらうのも、いつもと変わらぬ光景。盤石のリリーフ7人が、それぞれの仕事を果たして無失点リレーを完成させた。

過去2年はペナントレースが大激戦となり、中嶋監督が就任以来、初のマジック点灯。今年は“追われる立場”だが、戦い方は変わらない。リリーフ陣の3連投は避け、休養日をつくるなどやりくりする。この日は前夜に登板した平野佳がベンチ外で、最終的にブルペンに残っていたのは小木田ただ1人。首脳陣が状態を気遣い、選手は期待に応える-。信頼関係がある。

「よく粘ってると思いますよ、本当に」と指揮官も最強ブルペンの奮闘をねぎらった。球団としては3256日ぶりのマジック点灯。3連覇が近づいてきても、見つめるのは目の前の一戦だ【磯綾乃】