5点リードの9回2死、あと1球で4連勝。そんな場面で、西武の三塁を守る佐藤龍世内野手(26)がファイトを示した。

日本ハム細川のファウルは力ない小フライになり、三塁の西武ベンチ前へ。佐藤龍は定位置から走り、ダイビングして空中での捕球にトライした。

グラブに触れたものの、惜しくも捕れず、そのままベンチを囲むフェンスに後頭部や右肩をぶつけた。ユニホームや腕が土で赤茶色に染まった。

西武関係者によると、エスコンフィールドのベンチ前は「土の上に小さい砂があって、割と滑りやすい感じ」という。試合を白星で終わらせるべくそこに勇敢に突っ込み、腕を傷だらけにした。

三塁守備の課題は自覚している。ただ「そんなに(ミスが)続くような練習はしてきていないんで」と日々食らいつく。

母校の北海高校が今夏の甲子園出場を決めた時は「監督にすごくお世話になったので、監督がすごく喜んでいるだろうな」と思いを寄せた。

このシーズンも「チームが勝てればいい。監督の笑顔が見れれば全部、それでいいので」と、ユーティリティーぶりを評価してくれる松井稼頭央監督(47)ら首脳陣の思いに応えようと、必死に体を張る。連続安打も8試合に伸びた。【金子真仁】