今季限りでの現役引退を表明したDeNA藤田一也内野手(41)が22日、横浜市内の球団事務所で会見を行った。引退を決断した理由に「持ち味である守備で、自分の思うプレーができなくなった」と挙げ、「よくここまでやれたなと。最後、ベイスターズのユニホームを着て、引退できるのは幸せだと思います」と涙を流した。

家族には、18日の阪神戦(甲子園)の後に意思を伝えた。「子どもたちは『来年もやってね』と言ってくれましたけど、『パパはもう、おなかいっぱいやと。来年は選手じゃないよ』と伝えたら、納得してくれた」。19年間の現役生活を「苦しく、つらかった」と表現した。ファン、チームメート、トレーナーら周囲に支えられ、プレーした。

12年途中に楽天にトレード移籍し、13年には球団初のリーグ優勝、日本一に貢献した。指揮官だった星野仙一氏への思いを聞かれると涙があふれた。「我慢して使ってくれて、『監督のために優勝したい』という気持ちだったので、日本一にできたことは良かったですし、星野さんに出会えたから一回りも二回りも大きくなれた」と感謝した。

残された野球人生で、入団時のエースで、公私ともにお世話になる三浦監督への恩返しを誓った。「優勝することができなくて、本当に悔しい気持ちでいるんですけど、まだクライマックスシリーズを勝ち上がるチャンスがあるので、何としても、『三浦監督を男にしたいな』っていう気持ちでいっぱいです」と決意を込めた。【久保賢吾】