西武栗山巧外野手(40)が「みんな、ありがとう」とベンチ裏で朗らかに叫んだ声は、同じフロアにある記者室にまで響いた。

「今日みたいな展開ってちょっと苦しいっていうか、3連敗は避けたいし、ロースコアで来て、僕もいい内容の打席がなくて」

歯がゆい思いの中、9回、同期の中村剛也内野手(40)が勝ち越し適時打を放った。ベンチから眺め「あいつ、気持ち良くなっとんな」とちょっとうらやましかった。

源田が適時打で続き、満塁で自身に回ってきた。

「ゲーム、決めてくれて。まだ動いてる展開でしたけど、ああいう勝ち越しの一打ってなかなか打てないんで。ありがとうっていう気持ちもあります。ああいう形で立たせてもらったら勇気もわいてくる」

思いを込めて、オリックス山崎颯の149キロ高め直球にバットを出すと、右中間を割っていった。走者一掃、3点適時二塁打。盟友と似たような気持ちに浸れた。

これで通算打点は900を超え、400二塁打にも残り「1」と迫った。

「時間がかかるかもしれないし、次の打席でってなるかもしれないし。そのへんはあまり意識せずって感じです」

逆転CSの可能性もまだ残っている。価値ある一打を求め、また明日もいつものように準備する。【金子真仁】

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