先制“口撃”じゃけえ! 広島新井貴浩監督(46)がCSファーストステージ開幕前日の13日、DeNAと戦うマツダスタジアムでセ・リーグ共同記者会見に出席した。同席した駒大の後輩DeNA今永を持ち上げると、リモートで参加した阪神岡田監督のモニター越しのパンチはスルー。初戦から東、今永と続く難敵には足攻めを予告するなど、戦前から“絶口調”だ。

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新井監督の独壇場だった。会見場には大瀬良とDeNA三浦監督、今永が出席。ファイナルステージで待つ阪神岡田監督と近本もリモートで参加した。駒大後輩の今永には「なんせWBCの決勝戦で先発した、世界一の先発投手ですので」と持ち上げてニヤリ。岡田監督のモニター越しのパンチには気付かず「岡田監督に、もう1度お会いできるように頑張ります」とあいさつした。会見後に映像を確認しても「お元気そうで何よりです」とサラリ。見事な先制“口撃”で2球団にゆさぶりをかけた。

DeNA攻略には足攻めをにおわせた。初戦先発の東には今季6度対戦して0勝4敗、防御率1・84。2戦目の今永にも5試合で1勝1敗、防御率2・61でともに苦手とする。「簡単には打てない。足の速い遅いじゃなく、バンバンに走ろうかな」と宣言すると「これ書いてくださいね」と笑った。

“口撃”は自軍にも向く。CSのキーマンには、指揮官だけが「ジャッジ(ヤンキース)」と呼んでイジる末包の名を挙げた。「彼は“つかんだ”と言っていましたので、CSでも期待したい」。指名された2年目の大砲が笑って「敵は味方にあり」と返せるほど、決戦前日も雰囲気はいい。

冗舌なだけでなく、落ち着き払った新井監督の姿がチームの空気をつくっている。「準備をしっかりできたし、当日を待つだけ。失うものはないので、ガンガン攻めて行きたい。挑戦者のマインドでぶつかっていきたい」。明言している早めの選手起用を繰り出しながら、全員野球で下克上を目指す。【前原淳】

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