ソフトバンク小久保裕紀新監督(52)が22日、「2軍監督」としてのみやざきフェニックス・リーグ完走を明かした。「(2軍監督を)2年間やってきて『じゃあ、あと残り6試合頑張って』というわけにはいかない」。23日の監督就任会見や26日のドラフト会議出席後も1軍秋季練習ではなく宮崎に戻り、最終日の30日までの同リーグで指揮を執る予定。「主力を脅かす選手が出てこない限り、チームの底上げはない」と南国の地で若鷹を鍛え抜く。

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秋とは思えない南国・宮崎の日差しを浴びながら、小久保監督はキッパリと言い切った。

「(2軍監督を)2年間やってきて急に(1軍監督が)決まって『じゃあ、あと残り6試合頑張って』というわけにはいかない」

この日の西武戦(南郷スタジアム)は3-1で完勝。フェニックスリーグも残り2クール(6試合)となったが、最後まで指揮を執ることを明かした。

23日からはペイペイドームで1軍練習もスタートするが、新指揮官は不参加。監督就任会見、ドラフト会議の「公務」以外は宮崎に戻り、最後まで若鷹の指導に汗を流すつもりだ。

2年間ファームで指導してきた若手選手への思い入れもある。それにも増して小久保監督を突き動かすのは「危機感」だろう。

「ここ(2軍)から1人でも2人でも主力を脅かす選手が出てこない限り、チームの底上げがないというのは分かっている。そういう面も含めて、です」

フェニックスリーグでは選手たちに監督役や一塁ベースコーチも任せるなど、技術面もさることながら「多角的」な指導法で野球観も磨かせた。ただ、若鷹たちはまだ1軍定着に向けて大きな実力差を残しているのも事実。だからこそ、若手強化へ気持ちが高鳴る。

11月2日からは同じ宮崎で小久保ホークス始動となる秋季キャンプがスタートする。監督就任にあたり、球団側からは王イズムを継承しての常勝復活、さらに「若手育成」の期待も寄せられている。

「今の主力が安泰では先は知れていますよ。そういう期待も込めてです」

小久保新監督が宮崎で熱く若鷹を見守り続ける。【佐竹英治】

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