オリックスから巨人へのトレード移籍が決まった近藤大亮投手(32)が9日、大阪・舞洲で練習し、新天地への思いを語った。オリックスを離れる寂しさは残るものの「必要としてくれていると聞いたので、光栄に思って腕を振りたい」と明かした。

もともと祖父母ら家族が巨人ファンで、幼いころの自宅でのテレビ観戦は巨人戦。阿部監督や松井秀喜氏、上原浩治氏、高橋由伸氏らスター選手の下敷きが近藤少年の愛用品で、最も身近だった球団と縁がつながった。トレード発表直後に菅野智之投手から「何か困ったことがあったら言って。力になるから」と親身なLINE(ライン)をもらった。

新背番号30はかつて名投手、江川卓が背負った数字。「2、3年前から江川さんのストレートを投げられるようなトレーニングに取り組んでいたんで」と目標の投手だった。「体をすべて使っているというか。球質が全然、違うなと。バッターの空振りの仕方が全然違うなと。全員上から大根切りみたいな空振りをしている。ということは伸びているということじゃないですか。そういう球質みたいになりたいなと思って。江川さんと一緒の番号をもらったというのはすごい光栄であるし、プレッシャーでもあるし、頑張らなあかんな」。重圧に勝る喜びを感じながら、30番を背負う。

救援コンビ「かくめいぐん」を組んだ阿部と、この日も練習。阿部は「大亮さんにとってはチャンスと思っているので、寂しいですけど、僕はうれしいです、と伝えました」。別れの寂しさをこらえて門出を祝った。今や山崎颯の代名詞キャラとなった「吹田の主婦」を杉本と一緒になって作りあげるなど、楽しいアイデアにあふれた兄貴分の近藤を慕う選手は多かった。

近藤もオリックスへの愛は今なお深い。「福良さん(GM)に取ってもらって、すごい福良さんには感謝していますし。監督だった時もすごいたくさん投げさせてもらって、いろんな経験させてもらって、本当に感謝しかないですね。オリックスにいられたことはすごく幸せでしたし、今でもすごい大好きな球団。いずれは何かしらで戻って来たいと思う球団ですね」と、あふれる思いを口にした。【堀まどか】

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