中日大野雄大投手(35)が最下位からの反攻へ「トラ流ニンジン作戦」を提言した。9日にナゴヤ球場で契約交渉を行い、現状維持の3億円で更改。来季14年目へ臨むベテランは、会見で熱い思いを吐露した。

優勝、日本一の阪神には9勝15敗1分け。チームは球団史上初の2年連続最下位に甘んじた。大野雄は開幕直後に左肘クリーニング手術を受け戦列を離脱。1試合登板に終わり、チームの力になれなかったことに歯ぎしりした。「選手が一番やらないといけない。球団も監督、コーチ、みんなが変わらないと、強くならない」。

阪神は今季、四球の査定を上げた結果、チームは計494四球を選び、得点力増につなげた。「阪神打者が振れていることもある。(投手は)怖いから四球を出したり、粘って(四球を)取っていく姿勢は、明確な指示と球団査定のつながりがあって増えた。モチベーションの上げ方が、(阪神は)はまった」。2位広島に11・5差つけた独走は、岡田監督だけでなく、球団も含めた一丸姿勢。「僕はニンジンがぶら下がったら頑張るタイプ。明確に言ってくれてら、わかりやすい」。反攻へ「ニンジン」作戦を提唱した。

20年オフに国内FA権を行使せず、21年から3年契約を結んだが、22年にオプションをクリアし、24年まで契約延長していたことを明らかにした。「僕も35歳になって、そんなに長くはできない。来年次第では、ユニホームを着られない可能性もある。そういう覚悟も持ちながら、過ごす1年になる」。竜のエースが約25分の会見で熱い思いを投げかけた。【伊東大介】

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