阪神梅野隆太郎捕手(32)が21日、完全復活による連覇貢献を誓った。兵庫・西宮市の球団事務所で3年契約最終年の契約交渉を行い、現状維持の1億6000万円で更改した。今季は8月に左手を骨折した影響で72試合出場にとどまり、坂本誠志郎捕手(30)に日本一のマスクを譲った。ゴールデングラブ賞を獲得したライバルに挑戦する形になる24年シーズン。万全の状態で2月1日のキャンプインし、梅野ここにありを証明する。(金額は推定)

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梅野が完全復活へのプランを描いた。8月13日のヤクルト戦で死球を受け、左尺骨を骨折して約3カ月。現状維持の1・6億円で契約を更改し「バットを振っていったりしようかなというところで、ちょうど、今日を境にやれることをやっていきたい」と調整のペースを上げていくことを明かした。年内にも本格的な打撃練習を再開予定。2月1日のキャンプインへ「全く問題ない」と万全の状態で臨むつもりだ。

今季は無念の骨折離脱で72試合の出場にとどまった。3年ぶりに出場100試合に届かず、終盤は坂本に正捕手の座を譲った。岡田監督は13日に出演したテレビ番組で「今、全試合1人のキャッチャーはしんどいですよ」と負担の大きさを指摘。その上で「レギュラーキャッチャーできるのが2人いてる。ピッチャーとの兼ね合いとか、2人で143試合という形になると思いますね」とダブル正捕手プランを披露した。今季は正捕手梅野ありきでスタートしたが、坂本が日本一に貢献したことで評価が上がり、来季は激しいバトルにさらされることになる。

ゴールデングラブ賞も獲得した坂本との競争について背番号2は「自分がやれることを準備してやるだけ」ときっぱり。2人の切磋琢磨(せっさたくま)が虎の推進力になることは間違いない。「(来季)11年目を迎える中で、またこうやってワクワクできるのも、悔しい思いをしたからこそ」。正捕手の座を奪い返し、グラウンドで思いを爆発させる24年が見えている。

盟友にも連覇への貢献を誓った。日本一を報告するために先日、13年ドラフト同期で7月に脳腫瘍のため28歳の若さで亡くなった横田慎太郎さんが眠る地元鹿児島へ足を運んだ。「同じように喜んでくれていると思う。また来年もいい報告ができるように」。決意新たに横田さんや横田さんの両親に、来季は自身が大活躍しての連覇を誓った。

「来年は王者として見られる。連覇という目標ができるのは、自分たちだけだと思うので、連覇をするためにタイガースらしい野球を、また違ったいいものを見せられるように」

3年契約の3年目。6月で33歳を迎える。攻守に円熟味を増し、復活イヤーにする。【中野椋】