そら来年も呼ぶよ-。阪神岡田彰布監督(66)が24日、来年2月の沖縄・宜野座キャンプに2年連続で鳥谷敬氏(42=日刊スポーツ評論家)と赤星憲広氏(47=野球評論家)を臨時コーチで招へいすることを明かした。

ともに第2クールまでの1、2軍それぞれのキャンプで指導を行う予定。レジェンドOBの力も借りながらチームの底上げに力を注ぐ。球団史上初のセ・リーグ連覇へ余念がない。

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岡田監督は24年シーズンを見据え、早くも動いていた。優勝パレードから一夜明けたこの日、兵庫・三木市内のゴルフ場で実施されたサンテレビの「レッツゴー! タイガースゴルフ2024」に参加。「2月来るよ、鳥谷。もう決まってるよ。赤星も多分来ると思うよ」と指揮官は今年2月の春季キャンプに引き続き、来年もレジェンドOB2人を臨時コーチとして招へいすることを明かした。

「そらもう、継続やからな。パッと来て、パッとうまなるわけやないんやから。毎年新しい新人とかが入ってくるからな。そういうやつにはすごいいいよな」

早大の後輩鳥谷氏は第2クールで3日間程度の参加を予定。遊撃で4度、三塁で1度ゴールデングラブ賞を手にした守備の名手は前回、二遊間を中心に実技を交え、捕球から送球までの流れを一連の動作にする技、二塁送球に向けた体の角度の付け方などを伝授した。

今回は初めて2軍がキャンプを張る沖縄・うるま市の具志川球場にも訪れる予定だ。5年連続で盗塁王に輝いた赤星氏も2月には1、2軍に走塁や帰塁などの技術、考え方を伝えた。

球団OBへの臨時コーチの依頼は、岡田監督なりの考えがあった。「今いてるコーチも(2人と)知っている関係やからな。全然知らん臨時コーチが来て、全然違うことを言うと結局選手が戸惑う、それは絶対にあかんからな」ときっぱり。「一緒にやってきた仲間やから、だいたいわかるやんか。だからいいんよ」と熱く語った。

リーグ優勝、日本一を達成しても、さらなる進化を追求する。「最終的にこれはもう100(%)というのはないからなあ。野球なんかな、結局はな。どこまでも追い続けてなあかんということやからな」。球団史上初のセ・リーグ連覇、日本シリーズ連覇へ、油断も隙も見せない。【古財稜明】

◆鳥谷敬(とりたに・たかし)1981年(昭56)6月26日生まれ、東京都出身。聖望学園-早大を経て03年ドラフト自由枠で阪神入り。2年目の05年に遊撃の定位置を獲得。04年から18年にかけての1939試合連続出場はプロ野球2位、12~16年の667試合連続フルイニング出場は同5位。11年には最高出塁率。阪神在籍中の出場2169試合、同2085安打はともに最多。20年ロッテに移籍し21年引退。通算2243試合、2099安打、138本塁打、830打点、打率2割7分8厘。ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞5度。現役時代は180センチ、79キロ。右投げ左打ち。

◆赤星憲広(あかほし・のりひろ)1976年(昭51)4月10日生まれ、愛知県出身。大府-亜大-JR東日本を経て、00年ドラフト4位で阪神入団。1年目の01年から5年連続盗塁王。阪神での381盗塁は歴代最多。03年には1番今岡から中軸へのつなぎ役2番打者として、05年は60盗塁を決めた1番打者として、2度のリーグ優勝の立役者に。09年の試合中に負傷した「中心性脊髄(せきずい)損傷」のため、同年限りで引退した。通算1127試合、1276安打、3本塁打、215打点、打率2割9分5厘、381盗塁。現役時代は170センチ、66キロ。右投げ左打ち。