日本一にならなくてどうする! ソフトバンク王貞治球団会長(83)が27日、福岡市内のホテルで行われた球団納会で「1年の最後の試合は我々がしなきゃいけない」とチームにゲキを飛ばした。

今季は3年連続でリーグ優勝と日本一を逃し、リーグ3連覇のオリックスに15・5ゲーム差の3位。小久保新監督の下、V奪還に向けて「覚悟して野球に取り組んでほしい」と言葉は熱かった。

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シーズン納めの球団納会でも、王球団会長の冒頭あいさつは熱かった。

「今年も日本シリーズを、本当は我々がそこにいたのにという思いで見ていました。やはり1年の最後の試合は我々がしなきゃいけないんだ」

セ・パ頂上決戦は阪神とオリックスの「関西シリーズ」で盛り上がった。ホークスは日本シリーズを14、15年に連覇、17年からは4連覇と主役だったはずが、ここ3年は土俵にすら立てていない。3年連続でリーグ優勝を逃した今季は7月に54年ぶりの12連敗で首位から3位へと転げ落ち、最終的に3連覇したオリックスに屈辱的な15・5差をつけられた。王会長は「勝てなかった年のオフは本当に盛り上がりませんね」と無念さをにじませ、続けた。

「来年からは小久保新監督が相当な覚悟を持って指揮を執ってくれると思います。皆さんも覚悟して野球に取り組んでほしいなと思います」

4年ぶりの頂点奪還、「常勝軍団」復活を懸ける来季へ向けて「覚悟」の2文字を強調した。さらに選手やスタッフらの家族も同席する中、チームへの苦言も忘れなかった。

「皆さんを見ていると全てを取りにいって、結果うまくいってないケースが多い。全部取れる人はいません。来年は何か取り組むに当たって1つだけ目標を決めて、実現するためにどうしたらいいか考えてください」

常々「前に進むしかないんだよ」と語る王会長は12月2日に台湾で始球式を務める。台湾初のドーム球場となる台北ドームのこけら落としに花を添えた後、福岡に戻って翌3日には新入団選手ウエルカムパーティーに出席する。来年で84歳を迎えるが、精力的に動き続ける姿は変わらない。

「来年はみんなの気持ちを1つにしてすごく良い年にしよう」

王会長の言葉は最後まで熱っぽかった。【佐藤究】