DeNA伊勢大夢投手(25)が4日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1800万円増の1億1000万円でサインした。プロ5年目での1億円超えは、球団の投手では4年目の川村丈夫、山崎康晃に次ぐスピード記録だった。今季はセットアッパーで58試合に登板し、4勝6敗2セーブ、防御率3・22。「伊勢大明神」と称される右腕は、来季の目標に守護神奪取を誓った。

入団5年目での1億円突破となる1億1000万円でサインした伊勢は「4年終わって、この数字に届くとは入った時に思わなかった」と素直に驚きながら、視線はすぐに来季以降へと移した。「先輩やコーチにいろいろ教えてもらって、ここまで来られた。これからは自分で“伊勢の道”を作っていかないと。自分自身でレベルアップしていきたいです」と、決意を示した。

契約更改交渉の席上、球団からの言葉は大きな期待とともに叱咤(しった)激励だった。「『抑えをやってほしい』とも言われましたし、『もう何年も待てないぞ』とも言われた。去年までは自信がなくて、そういう発言ができなかったので覚悟を持って、抑えのポジションをつかみ取りたいと思います」と守護神奪取を明確な目標に挙げた。

強い思いを込めるように、色紙には「覚悟」の2文字を記した。今季は山崎の不調から、森原、ウェンデルケンへと抑えが変更。「去年までは抑えの人がダメだったら、次に入れるようにって発言してたんですけど、そんなんじゃダメだなと。みんながガツガツ狙っていいポジションだし、それでつかんだ人がチームを引っ張れる存在だと思うので、奪ってやろうという気持ち」と力を込めた。

昨季はリーグ最多の71試合に登板し、「伊勢大明神」と称されたが、今季は登板数、防御率ともに悪化した。疲労とともに足首の状態が悪かった反省から、足首回りの安定をテーマに設定。ジグザグ走やバック走などで足首を強化する。「今年の経験をプラスに変えられるように」。守護神の座をかけた「覚悟」の1年が始まる。【久保賢吾】

 

★DeNAの主なストッパー

◆斉藤明雄 81年から抑えに回ると、同年から7年連続2桁セーブ。最優秀救援投手2度(83、86年)。

◆佐々木主浩 2年目の91年から抑えを務めた「ハマの大魔神」。98年には45セーブで日本一に貢献してMVP。最優秀救援投手5度(92、95~98年)。

◆斎藤隆 01年に就任した森監督に指名され、先発から転向。01、02年と2年続けて20セーブ。

◆クルーン 来日1年目の05年から守護神に。160キロを超える速球を武器に、在籍3年で84セーブ。

◆山口俊 4年目の09年途中から抑えに定着し、10年から2年連続30セーブ。12年に最年少(当時)で通算100セーブ達成。

◆山崎康晃 1年目の15年に新人記録となる37セーブで新人王。通算227セーブは歴代9位。最多セーブ2度(18、19年)。

 

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