ソフトバンク牧原大成内野手(31)が生涯ホークスを宣言した。

21日、ペイペイドーム内の球団事務所で契約交渉を行い、来季から新たに年俸変動制の3年契約を締結。2000万円増の1億円プラス出来高払いでサインした。来季中にも国内FA権を取得するが「最後は地元で終わりたい」と福岡愛を貫いた。24年は二塁手一本で勝負。初の規定打席到達とゴールデングラブ賞受賞を目標に定めた。

   ◇   ◇   ◇

牧原大に迷いはなかった。「地元の福岡で野球がしたい気持ちが強かった。最後はソフトバンクホークスという球団で終わりたい」。出身は2軍本拠地がある筑後市の北に位置する久留米市。地元愛を貫く思いは契約内容にも表れた。

順調なら来季中に国内FA権を取得するが、新たに年俸変動制の3年契約を結んだ。「仮にFAでどこかの球団から話が来ても僕はずっとここ(ソフトバンク)に残るつもりでいました。年齢も年齢ですし。本当に球団には感謝したいなと思います」。10年育成ドラフト5位で入団し、憧れの地元球団に育ててもらった恩義もある。「地元なんでね。地元の人たちの前で野球生活を最後まで送りたい」と生涯タカ宣言だ。

来季の年俸は2000万円増の1億円プラス出来高払いでサイン。球団の育成出身選手では千賀、甲斐、石川に続く4人目の大台1億円到達となった。入団時は年俸270万円で契約金ではなく支度金300万円からスタート。夢の1億円プレーヤーに成長し「僕らは育成選手で契約金ももらってないので。それを今、いただいたのかなと思います」とほほえんだ。

内外野を守れるが、来季は「二塁手一本」で勝負する。「セカンドは得意なポジション。小久保監督から言われたというのもありますけど、シンプルに(二塁で)ゴールデングラブを取りたい」。守備の勲章とともに初の規定打席到達を目標に定めた。

3月のWBCでは侍ジャパンのメンバーとして世界一に貢献。シーズンでは二塁、中堅を守ったが、8月に右尺骨の骨折で戦線離脱した。91試合で打率2割5分9厘、2本塁打、32打点と不本意に終わった。「守備位置が変わったせいにはしたくない。打撃に物足りなさがあったのでしっかり反省を」と14年目の来季へ巻き返しを誓った。【只松憲】