8つのバットを駆使し「村神様」を超える。日本ハム清宮幸太郎内野手(24)が17日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレを公開した。昨年12月に訪問した米トレーニング施設「ドライブライン」で入手したものなど重さ、バランス、長さの異なる8種類のバットを使い分け打撃練習。複数アイテムを使い分けることでスイング改良を試み、今季は同期のヤクルト村上以上に本塁打を量産すると、言い切った。

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7年目清宮が8つの武器を使い分け“神”を超える。初めての単身自主トレに「やりたいこともすごくできていますし、順調に行っている」。好感触を口にした上で、同期のライバルを今季の“照準”に定めた。この日、自主トレ公開したヤクルト村上に触れ「すごい刺激になっていますけど同じプロ野球にいる以上は負けていられない。今年は村上以上に打つ」と、強い口調で話した。

本塁打を量産するために狙いを明確にし、練習に励んでいる。打撃練習では長さやバランスの異なるバットを何度も持ち替えた。米ドライブラインで学んだノウハウで「短いバットだったら短い分、体をもっと回しておく。体を送り届けないとバットが届かない。だから体がもっと回るようになる、とか」。長短、軽重。特長に合わせ意識を変え、ひたむきに繰り返した。

金属の重いバットは、動作解析で出た自身の課題も頭に入れながら、振り抜いた。「僕は手が先に出て来ちゃうので。例えば重いバットって手だけで振ったら振れないんで。体を使って重さがある分(手が)遅れて出てくる。そういう良い動きへのアシストという感じ」。22年に日本人最多のシーズン56本を放ったスラッガーに勝つため、やれることは、すべてやる。

精神的な自覚も、昨季までとは違う。選手会副会長だった上沢がレイズとマイナー契約。選手会を離れることで今季から清宮が選手会役員に入閣する。「いつまでも先輩におんぶに抱っこじゃダメ。やっぱり僕とジェイ(野村)とマンチュウ(万波)が打たないと始まらない」。野球でもチームを引っ張り、8年ぶりのリーグ制覇をたぐり寄せる。【永野高輔】