日本ハムからポスティングシステムを利用して大リーグのレイズとマイナー契約を結んだ上沢直之投手(29)が19日、北海道・北広島にある日本ハム球団事務所で会見を行った。ルーキーだった12年から21年まで監督を務めた“同期入団”の栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO=62)も同席した。

【会見その1】

上沢 このたびは僕のためにお集まりいただき、ありがとうございます。タンパベイ・レイズに正式入団することが決まりました。ファイターズで過ごした12年間の日々を思うと、思い出が数え切れないぐらいあります。ファイターズに入団できて本当に良かったと思っています。周りの方、ファンの方、球団関係者のみな様。僕は本当に人に恵まれたファイターズでの野球人生だったと思います。これから国は変わりチームも変わりますが、ファイターズで学んだこと全てを生かして米国の地へ向かっていきたいと思います。

 

栗山CBO お忙しい中、お足元の悪い中ありがとうございます。きょう上沢投手がアメリカ、メジャーリーグに旅立ちます。僕はナオ(上沢)と一緒に入団して同期というか、僕が監督になった年からずっと一緒にやって来ました。よくもまあ、これだけ野球の神様が試練を与えるなぁと。結果を残したときにいろいろなことが起きて、それを乗り越えてやってきました。そのたびにナオとはそういう話をしました。レイズに決まって連絡をもらって話をしました。いろいろな生き方がありますけど、僕らがこれだけ自分の思いをしっかり持って、男の生きざまとしては格好いいという言葉がいいかは分からないけど、そういう姿を見せてくれる。選手たちには姿を見せてくれと言ってきましたけど、こういう姿が子どもたちや、これから野球を応援してくれる人、やる多くの人に生きざまとしてメッセージを送ってくれる。僕が監督であれば、間違いなくチームで絶対に良い場所で投げてくれるピッチャーなので。それはこれから証明してくれる。生き方を含めて、生きざま、姿を見せてくれたことに感謝しているし一野球人として尊敬してます。北海道の皆さま、自分が育てた選手だと思ってこれからも応援して欲しいです。日本の皆さまもぜひ同じ思いで。大きな姿を見せてくれると思う。僕と一緒に応援してあげて欲しいと思います。よろしくお願いします。

 

-レイズ入団が決まり今の気持ちは

上沢 ありがとうございます。本当にこういう場をつくっていただき感謝しています。早くみなさんへこういう場で正式にお話ししたいと思っていたので、少しホッとした気持ちはあります。僕は向こうに行ってからの立場は、キャンプイン初日から勝負しないといけない立場。すごく張り詰めている、気が張っている状態ではあります。

-オファーはいろいろあった。レイズを選んだ理由は

上沢 やっぱり投手のことに対する、球団全体のプライド。そこで勝つんだという強い思いを、ミーティングをさせてもらって感じたので。それが僕の中で決め手になった。僕のことをいろいろ調べて、理解してくださっているのが印象的だった。それでレイズを選択することにしました。

-特に評価されたのは

上沢 長いイニングを投げてくれることを期待していると言ってくれました。あとは高めに伸びる真っすぐとフォークボールのコンビネーションがいいと言ってもらった。アメリカへ行ったら、落ちる球が重要になってくると思っていた。細かいところも、僕のことを詳しく調べてくださっている印象でした。

-メジャー契約のオファーもある中でマイナー契約。迷いは

上沢 迷いは正直ありました。すごく評価してくださったチームは他にもありましたし、その中でレイズと他の球団で迷いはありましたけど、自分がしっかり今年メジャーリーグの舞台でレベルアップした姿で投げることを考えたときに、どっちが良いのか考えた結果、レイズという決断に至りました。

-栗山CBOへ。上沢の決断は

栗山CBO 僕がというよりも、皆さんが感じている。こんな生きざまにしたいなと皆が思っている。人それぞれ自分の決め方が選手によってあっていいと思います。環境を整えて行くことも大事だし、ナオのように初日から、今から緊張しながら。野球の神様はどこまで彼に負担を掛けるのかっていうのはありますけど。最終的に何がプラスになるのかは自分次第だと思っている。そういう決断を僕らは分かっているつもり。その決断を聞いたときに、めちゃめちゃ感動しました。ナオらしいなと。勝負師としては結果を出したときに本当の意味を持つ。こっちもそういうつもりで応援している。お金がどうとか環境がどうとかではなく、こんな野球がやりたいというのが全てのベースであるはず。それを通して生きざま、筋を通して前に進む。そういうものは誰が見ても応援したくなるし感動する。一緒にやった仲間だからではなく、僕はすごく感じる物がありました。僕としては1つだけ。WBCでもいろいろ考えたんですよ。みんなに見せておけばよかった。冗談っぽいけど、僕が知っている上沢投手をもっと伝えたかったなと思います。

-新庄監督とは

上沢 連絡して、直接お会いしてはいないが、シーズンが終わってから、どうするんだ? という話をしていただいた。新庄さんもアメリカへ行ってたこともあって、マイナーでの生活はとても過酷だと伝えてくれた。僕も正直、ファイターズで投げるのが好きですし、すごく悩んだ。マイナー契約でもアメリカで勝負させてもらうという決断をしたときには「すごく寂しくなるけど、一緒に戦って勝ちたかった」と言ってもらえてうれしかった。僕も、もっと新庄さんの力になりたかったのが正直な思いです。「あまり力になれずすみませんでした」と言ったら「これから思い切ってやってこい」と言ってもらえて、すごく感謝してます。

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