ど真ん中の王道をいく-。巨人阿部慎之助監督(44)が1月31日、宮崎市内の宮崎神宮を参拝し、必勝を祈願した。就任1年目の新人監督は選手たちには「技術アップ」「体力アップ」を課す。自らは用兵、戦術に考えを巡らせるキャンプ期間にすることを宣言した。4年ぶりのリーグ優勝、12年ぶりの日本一へ、2月1日からキャンプインする。さあ、今年も球春到来だ。

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冷たい雨が滴った。宮崎神宮の上空は厚い雨雲に覆われた。ゴールドカラーのネクタイを締めた阿部監督が先頭で本殿に向かった。選手時代から何度も歩いた参道も「全然違うキャンプインの仕方だなというのも感じていますし、身が引き締まる思いでもあります。一生、忘れられない1日になると思います」と緊張感を十二分に漂わせた。

2月1日から下旬までのキャンプは腰を据えてチームの土台を形成していく。2年連続Bクラスに低迷する現状を受け入れ「とにかく選手は技術アップ、1年間戦える体力アップ、それだけを目指してやってもらいたい」とシンプルテーマを掲げた。テクノロジーを駆使しつつ、技術向上のための反復練習や走り込みで体力を培う。時代に左右されない往年のキャンプスタイルを念頭に置く。

2軍監督時代にスローガンに掲げた「考動」がベースにある。それぞれの課題は「分からなかったら1軍にいなくていい」と選手に自己分析させ「やっぱり8月、9月をどう勝つかというのはね」と夏場からの逆算で勝負どころに備える。

指揮官も常に戦うための構想を巡らせる。キャンプからオープン戦、開幕まで「僕は選手たちをどう使ってどう勝つか。このキャンプからずっと考えていきたいと思います」と言った。 今キャンプのキャッチフレーズは「笑うアベには福来たる~新風の先に笑顔のSeptember~」と球団から発表された。「笑っていた方が僕らしいかなと思う。ぶすっとしている時もあるだろうけど、その時はどうやったら勝てるか考えている時だと思ってください」とニンマリだ。

両手を合わせてそっと目を閉じた。「神様にお願いし過ぎると怒っちゃうんで、感謝の念だけは持って無になっていました」と阿部監督。やまない雨はない-。新生阿部巨人が本格始動する。【為田聡史】

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