目指すは10連投!? 今季、先発からクローザーに転向する楽天則本昂大投手(33)が、実戦初登板を迎えた。ヤクルトとの練習試合に7回から4番手で登板。打者4人に20球を投げ、無安打1四球無失点に抑えた。今江監督に「10連投までできる」と直訴する新守護神が、上々のスタートを切った。チームは対外試合5連敗中だったが、1-1で引き分けた。

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新クローザー則本が、浦添の青空を見上げ、両手をクロスさせながらフーッと息を吐いた。1-1の7回に登板。先頭内山を遊ゴロ、続く宮本は中飛に封じる。2死で迎えたのは昨季までチームメートだった西川だ。速球派の血が騒ぐ。初球を147キロで入り、2球目にこの日最速の151キロ。「スピード自体は150を超えたというのは予想外というか、バッターが(西川)遥輝だったんで、ちょっといったろうかな」。結果は四球も真っ向勝負を挑んだ。

走者は置いたが長岡を遊ゴロに打ち取り、1回を無安打無失点で役割を全うした。セーブシチュエーションではなかったが「実戦初登板とリリーフでの準備というところで緊張感はあったんですけど、試合への入り方とかは良かった」。上々のデビューを飾った。

登板直前のブルペンでは背番号と同じ数の14球を投げ込んだ。先発時代は試合の30分前に体を動かし、遠投を経て、ブルペンで30球前後を投じるなど最終準備した。クローザー転向に伴い、前日の投球練習も16球ほどに抑えた。「今日はブルペンでのつくり方とか準備の仕方は良かったと思う」。リリーフ経験のある青山コーチらからアドバイスを受け、新たなルーティンづくりを進める。

抑えとしてフル稼働する覚悟は今江監督にも伝えてある。「一応、監督には10連投までできるって言ってあるんで(笑い)」。その発言を受けた指揮官は「もちろん10連投なんか無理ですけど、そういう気持ちがあるというのが、彼をその位置に持っていって良かったなというところ」とチームを思う心意気に脱帽した。

先発と抑えで役割は違うが、打者を抑えることに変わりはない。「今はとにかく1個のアウトをしっかりと取る、そこだけに集中してやれたらいい」。通算114勝を誇る則本が、新守護神としての1歩を踏み出した。【山田愛斗】

◆過去の連投 連続試合登板のプロ野球最長は1リーグ時代の44年若林(阪神)の14試合(先発9試合、救援5試合)。当時は年間35試合しか行われず、若林の14試合は5月1日から7月15日まで2カ月半の間に記録された。パ・リーグ最長は72年佐藤道(南海)が6月29日から7月18日にかけてオール救援でマークした11試合連続。