有原で小久保ホークスが船出する! ソフトバンク小久保裕紀監督(52)が22日、今季の開幕投手を有原航平投手(31)に託すことを公表した。

メジャーを経て新加入した昨季、勝ち頭の10勝を挙げて今キャンプも好調な右腕を3月29日オリックス戦(京セラドーム大阪)の大役に指名。4月2日のロッテとのホーム開幕戦(ペイペイドーム)は、有原に次ぐ8勝を挙げた和田毅投手(43)に任せ、早大の先輩後輩コンビで開幕ダッシュを目指す。

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練習を終えた21日の夜。小久保監督は宮崎市内のチーム宿舎の自室に有原を呼び出した。新生小久保ホークスの船出を飾る開幕投手を告げた。「3月29日、オリックス戦、開幕投手お願いします!」。シンプルな言葉に有原は晴れやかな表情を浮かべ、「ぜひお願いします。頑張ります!」と即答。日本ハム時代以来、4年ぶり3度目の重責に「チームを代表して最初に投げさせてもらう。1球目から全力でいけるように」と気持ちを高ぶらせた。

05年のソフトバンク誕生後、生え抜き以外が開幕投手を務めるのは初めて。指揮官が評価したのは、メジャーから新加入した昨季勝ち頭の10勝を挙げ、今キャンプでも好調を維持して投手陣を引っ張っている姿だった。「ブルペンの状態も含め、昨年の成績を考えて、彼が一番ふさわしい」。

指揮官は直筆の手紙も手渡した。便箋2枚に「任せた」「託した」などと信頼をつづり、現役時代に帽子のつばに記していた「前後裁断」の4文字も添えた。「過去を忘れ、未来も断ち切り、今を真剣に生きる」を意味する。小久保監督らしいフレーズの数々に有原も背筋を伸ばした。「特別な思いはあります。僕のために書いてくれたのは意気に感じる。できることを精いっぱいやりたい」。過去2度務めた開幕投手はともに黒星。三度目の正直で、恩返ししたい思いは強い。

3月29日、敵地で戦う相手はリーグ3連覇中の強敵だ。だが、昨季はオリックス戦でチーム最多の3勝(3敗)を挙げ、防御率2・25。しかもうち2勝を、1完封を含む敵地でマークした。通算も19勝10敗の好相性を誇る。

それでも小久保監督は言った。「チームの先頭に立っていく人は相性とか関係ない。堂々とチームのため、ファンのため、自分のために投げてほしい」。期待はエースとしての大車輪。有原も自覚し「絶対1年間しっかり投げたい。そういう話はいつも監督としています」と背筋を伸ばした。

チームは17年から開幕7連勝中。小久保監督は「1軍監督として初めての開幕戦は人生で1度きり。いいスタートを切って勝つことだけを考えてやっていきます」と必勝を宣言した。猛牛撃破で、4年ぶりVの奪還へ勢いをつける。【佐藤究】

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