西武A班の宮崎・南郷キャンプで「ペットボトル委員会」の活動が22日、明らかになった。投手陣によるもので、初代会長を務めている本田圭佑投手(30)の啓発ポスターがキャンプ地の関係者エリアに何枚も張り出されている。本田会長は「ひと絡みが毎日ある、って感じです」と効果を口にした。

創設は昨季途中にさかのぼる。ブルペンなどに置き忘れや捨て忘れのペットボトルが頻発した。

問題視されつつある中で豊田清投手コーチ(53)が動いた。

「もうだいぶたつね。誰にペットボトル係を任せようかとなって。本当は全員が責任を持ってやること。そこで年下のやつにやらせたら、なんかかわいそうでしょ。そしたら、ポンちゃんが適任で。あのひげ面、いいんじゃないかと」

ポンちゃんこと本田がペットボトル係に任命され、月日が流れ、肩書もいつの間にやらペットボトル委員長になっていた。

春季キャンプは全員が同じ場所で長い時間を過ごす。全体の意識も高まっていく中で「デザインとかに興味があって」という与座海人投手(28)が名乗り出た。アプリを使ってポスターを作成。本田の眼光が鋭いものと、メッセージ性の強いもの。「目に入りやすいように考えました」という2種類のデザインを、高橋光成投手(27)が印刷。投手陣が入ることが多い関係者エリアに、何枚も掲示した。

キャンプ初日には豊田コーチから、あらためてのメッセージがあった。

「ああいう災害もあって、ペットボトルとかが簡単に飲めない人もいるんだ。そういう部分も含めて、ちゃんとやりましょう」

そうやって意思統一し、環境美化に努めている。

エース高橋を筆頭にした先発陣は強力で、昨季5位に沈んだものの投手力はリーグでも上位にいる。中継ぎに回る本田も「より直球を強くしたい」とフォームを鋭い動きのものに改良し、ゆったりしたフォームで投げた昨季までと同様、緩急をコースに分別…ではなく投げ分ける。

皆できれいに-。この日は当番の佐藤隼輔投手(24)が通路を掃除し、先輩たちはそこを避けてスパイクの刃から土を落とす。各自の役目をこなして投手王国を未来へつなぐ、獅子投のSDGs。それぞれが飲み終えたペットボトルを大きなポリ袋に入れ、昨季プロ初完封をマークした隅田知一郎投手(24)がその封を締めた。【金子真仁】

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