守護神候補の阪神岩崎優投手(32)が万全な調整ぶりを見せつけた。ブルペン陣では大トリで、今春初めて対打者相手のマウンドへ。フリー打撃の投手として登板し、じっくり自身のボールと向き合った。

「普通に投げられたらいいな、と」。いつも通りのポーカーフェースで上がった久しぶりのマウンド。前川、森下を相手に計32球。柵越え2本など安打性は計5本だったが、14球目のスライダーで前川をのけぞらせるなど順調な仕上がりを印象づけた。

「まあこんなもんかな、と思います。ブルペンでは打者を立たせていなかったんで、その感覚を思い出して」。本人はいたって冷静。「左と対戦する時にも、もうちょっと、体重移動ですかね。ちょっと早かったなと思ったんで、そういうところから修正していきたい」と分析した。

プロ10年目の昨季は60試合に登板。35セーブでタイトルを獲得し、日本一に貢献した。実績も経験も申し分ない左腕に、岡田監督はキャンプ序盤は2軍具志川で調整させるなど練習を一任してきた。「あれ以上ボールはよならへんし、あれ以上遅ならへんやろ。そやろ。もうマイペースの投球やからの。任せといても全然平気やから」。指揮官らしい言い回しに、変わらぬ信頼がにじんだ。

実績は頭一つ抜けているが、評価急上昇中の新外国人ハビー・ゲラ投手(28)と守護神の座を争う。「帰ってからちょっとコンディション不良みたいな経験もありますんで。戻ってからも気をつけたいと思います」。安定感抜群な左腕に、慢心はない。【磯綾乃】