携帯画面をフリックするよう、指先に神経を注いだ。

ヤクルトのドラフト2位松本健吾投手(24=トヨタ自動車)が、練習試合のKIA戦でスキルを発動。3回2死走者なし。左打者に、初球から2球連続のスライダー。外角から横滑りさせ、一気に2ストライクのコンボ。「伝説」と称された伊藤投手コーチ直伝の新たな武器。インストール(習得)してからまだ2週間と少し。「結構いい感じですけど、(伊藤投手コーチは)『まだなめんなよ』って(笑い)」と明かした。

伊藤投手コーチは「あれはツムツムスライダーや! 松本はツムツム大好きやから、(フリックで)スライダー覚えろって言うて。画面をなでるように」と笑った。引き合いに出したスマートフォン向けのゲームアプリ「ツムツム」は、14年にサービス開始。03年に現役引退した同コーチの時代は「マリオブラザーズスライダーや!」。かつては、家庭用テレビゲーム機などで、マリオの冒険から指を鍛えた。現代となり、愛弟子は携帯画面上のパズルゲームで変化球につながる指先感覚を磨く。

ツムツムスライダーの使い手は「6年ぶりにやり始めてはまっています。今はまだプレーヤーズレベル70ちょっとです」。上限1000までの道のりは長い。バッテリーを組んだ松本直も「まだ手元で曲がる」とレベル上げの必要性を説いた。

とは言え、2回2安打無失点。デビュー戦の21日の楽天との練習試合(浦添)も、2回3安打無失点とパズルを消し続ける。起用法は未定だが、今後はイニング数がバージョンアップする可能性もある。リアルの世界をゲームのごとく支配していきたい。【栗田尚樹】

◆ツムツム 「LINE:ディズニー ツムツム」という、スマートフォン向けアプリ。14年1月からサービス開始。パズルゲームで、ディズニーのキャラクターを使ったディズニーストアで人気のぬいぐるみ「TSUM TSUM(ツムツム)」を集めてつなげて消す。制限時間以内にツムをたくさん消し、高得点を狙う。

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