一般的にソフトバンク和田毅投手(43)は打ちづらい投手と言われている。

西武の松井稼頭央監督(48)も「見づらいんですよね。出所が。あまり好きじゃなかった」と現役時代の対戦を振り返る。

そして「だから大したもんですよ」とたたえた。1番打者に起用した西川愛也外野手(24)が、いきなりスタンドまで運んだ。

練習試合なども含めてプロ初対決だった。初回、初球。内角高め、140キロ直球。「絶対、ファーストストライク行こうと思ってたんで。タイミング早く取りすぎたなと思って、泳ぐと思ったら、ピュッて速いじゃないですか。ちょうど合って」。右翼席まで飛んでいった。

ベンチに戻ったら、皆が「ウェーイって感じでしたね」。程よい心の“遊び”が奏功した。試合開始は12時半。西川は午後1時開始と勘違いしていた。

「12時20分くらいまでご飯食べて、ロッカーでゆっくりしようと思ったら、銀仁朗さんやモンテルに『今日12時半(開始)やで』って言われて。ウソやと思ったら、モンテルがガチな顔で言ってきたんで」

冷や汗のドタバタ劇になったものの、この上ない結果が出たからこそ「準備3分で打ちました」と笑って振り返られる。

昨年の自主トレパートナーの山川や、今オフに弟子入りした中村晃の前での1発。ただ心の底からは笑えない。

「今日も1打席目出てから4タコしたんで。そのあとが難しいですね。打ち続けないと」

油断はしない。でも喜ぶべきところは喜ぶ。メリハリをつけながら満開を目指す。【金子真仁】

【関連記事】西武ニュース一覧