中日涌井秀章投手(37)が開幕投手候補に浮上した。オープン戦2度目の先発マウンドに上がり、4回1安打無失点。柳、小笠原らも控える大役レースに20年目右腕も加わった。

直球、スライダー、シンカー、カーブで、ストライクゾーンをあまねく使い、緩急も自在に操った。敵地で広島打線を翻弄(ほんろう)。3回2死から宇草に内野安打に許しても野間を外角直球で遊ゴロで切り抜けた。4回1死から秋山に四球を与えても、シャイナーをスライダーで三ゴロ併殺。53球の安定感を見せつけた。

「結果的にゼロで終わったことは一番いい。投げられていることに関しては順調なんじゃないかな。あと2回ぐらい登板がある。いろいろやっていく」。20年目右腕は、開幕ローテ入りへの青写真を冷静に見据えた。

今季の開幕投手には柳、小笠原、高橋宏、メヒアの名前が挙がっていた。立浪監督は「涌井は先発では一番安定している。安定してる投手を最初に行きたいと思ってる。十分考えられる」と3・29神宮の大役候補に追加。涌井はパ・リーグ時代に神宮球場で3戦2勝0敗、防御率1・59と好相性を誇り、西武、ロッテ、楽天で10度の開幕投手経験を持つ。20年目ベテラン右腕が、史上最多4球団目での大役を担う可能性はゼロではない。【伊東大介】