どのみち、連覇するんよ-。阪神岡田彰布監督(66)が11日、「吉兆データ」を持ち出して、騒がしい周囲をいなした。

昨年の日本一チームが65年以降で球団ワーストとなるオープン戦9連敗と異例の事態に陥っているが、指揮官は20~22年は最下位球団がセ・リーグ優勝チームになっていると指摘。勝敗は意に介さず、12、13日ロッテ戦(ZOZO)まではノーサイン野球で、勝敗にはこだわらない構えだ。

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東京行きの新幹線に乗り込む間際、岡田監督は最後に自ら口にした。「去年俺らがくつがえしたんかな、優勝して、なあ」。確認するように切り出したのは、球団初の連覇への吉兆データだ。

「4年間でオープン戦最下位が。だから、4年間で3チームが優勝してる言うてるやん」。20年セ・リーグ優勝の巨人、21、22年に連覇したヤクルトは、全てがそのシーズンでオープン戦12球団最下位。昨年8位だった阪神が優勝するまで、3年間も続いていた。

騒がしい周囲をけん制するようだった。チームは開幕前最後の甲子園だった10日巨人戦に敗れ、オープン戦開幕から9連敗。初の4万人を超える大観衆が入った聖地でも連敗を止められず、65年以降で球団ワースト記録となった。1点差に詰め寄りながらの敗戦に「別にそんな…」と一笑に付したが、周りは違う。シーズンで勝てるのか、連覇は達成できるのか…。そんな不安を一蹴するように、一気にまくしたてた。

ここまでのオープン戦は、サインを使っていない。プレーの判断を選手個々に一任してきたのも、結果を全く気にしていないからだ。「まだサイン決めてないんよ。ミーティングも何もしてない。今度名古屋からちゃんとできるからな」。シーズンさながらのチームプレーは15日中日戦(バンテリンドーム)からと話してきたが、この日の再度の問いかけにも“岡田節”で強調した。

「名古屋でみんなでサインやって決める言うてるやん。負けてるから言うてサイン出すなんてアホみたいなこと言えるかいな。関係あれへんって」。12日からのロッテ2連戦(ZOZOマリン)でもノーサイン野球を継続する考えだ。まだシーズンは始まっていない。オープン戦の勝ち負けよりも大切なのは、シーズンを戦う戦力を見極め、充実させること。開幕後に連勝街道を歩み、うるさい周囲を黙らせる。【磯綾乃】

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