阪神岡田彰布監督(66)が、状態の上がらぬ佐藤輝明内野手(25)に苦言を呈した。両軍無得点で迎えた中日戦(バンテリンドーム)の9回無死一、三塁の絶好機で空振り三振。「三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」とオープン戦打率1割2分8厘に沈む5番打者をばっさり切った。ベストオーダーで臨んだが、引き分けで2年連続のオープン戦負け越しが決定。2週間後のシーズン開幕に向けて、主砲がここから奮起できるか。

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絶好機を生かせなかった佐藤輝を、岡田監督はばっさり切った。「そら打たなあかんやん。どんな当たりでもバットに当てて、前飛んだら何かが起きるけどな。三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」。

0-0で迎えた9回。先頭森下の中越え二塁打と大山の左前打でつくった無死一、三塁の好機。打席に立った佐藤輝は、中日の守護神マルティネスを前に、ファウルで粘りながらも最後は空振り三振。むなしくバットは空を切った。

シーズンならば、なにがなんでも1点欲しい展開で、三振では何も起こらない。「前飛んだら1点や。何でもええやん、バット当たったらのう。そういうことやんか。スクイズで1点取りにいく? あそこで」。勝負どころを託した主砲の物足りなさに、苦言を呈した。

ここまでオープン戦11試合の出場で39打数5安打、打率1割2分8厘と低空飛行が続く。本塁打は2月23日巨人戦(那覇)を最後に出ていない。14日にバンテリンドームで行われた全体練習で、打撃ケージに入った佐藤輝は、次々にボールをスタンドインさせていた。「新聞ですごい書いてるやんか。何本もスタンド入っていうて」。その姿にも指揮官は皮肉気味にちくりと言った。「状態なんか。俺が言うより結果見とったら分かるやんか、ええか悪いか。練習でスタンド行っても一緒や言うことやろ、そんなの」。開幕まであと2週間。結果で示していくしかない。

試合後、9回について問われた佐藤輝は「頑張ります」と言葉少な。この日はベストオーダーで臨んだが、中日柳を前に5回2死まで無安打。その後好機をつくったが、得点はできなかった。打線爆発には、主砲の上昇が不可欠だ。【磯綾乃】

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