昨季新人王に輝いたオリックスの4年目右腕、山下舜平大投手(21)がフリートークで語る日刊スポーツの独占コラム「ペータの部屋」。第2回は、リーグ4連覇がかかるシーズン開幕に向けた意気込みをたっぷり激白。マウンドでの緊張、侍ジャパンでの話題などもざっくばらんに語ってくれました。【取材・構成=大池和幸】

日刊スポーツ読者の皆さん、山下舜平大です。いつも応援ありがとうございます。1日1日を大事に過ごして、開幕が近づいて来ました。ワクワクもあります。ただ目の前のやるべきことというか、時間は限られているんで、しっかり準備していきたいと思います。チームが勝つってのは一番大事なんで。あくまで試合で勝てるような投球をできる準備をするんですけど、どんどんレベルアップできればいいんじゃないかと。

去年は開幕戦に投げさせてもらいました。プロ初登板だったし「緊張しましたか?」と聞かれるんですけど、実はあまり緊張しませんでした。意外と9勝した後、10勝目がかかった試合の方が「勝ちたいな」という感じの緊張感があって。開幕戦は無でしたね。勝ちゃいいやと思って。チームが勝ってくれと。

高校(福岡大大濠)やプロ1年目とか、以前は緊張するタイプだったんですけど、変わりました。開き直ったんですよ。緊張して結果が出ないタイプだったので。きっかけはメジャーリーグの動画を見るようになってから。メジャーの選手って緊張してるのかもしれないけど、楽しくやる感じに見えるじゃないですか。とりあえず思いっきりやる、みたいな。自分もそう思ってプレーしてます。

オフに(山本)由伸さんとサチさん(山崎福也)が移籍しました。でも誰がいようといまいと、自分がやるべきことはある。2人が抜けたことで多少は見られ方が変わるかもしれないですけど、それは周りだけ。自分はあまり変わらないですね。ただ、由伸さんの立場だったら緊張するでしょうけど。日本シリーズの第1戦とか。そこに懸ける思いが違うでしょうし。

今のオリックスは成績や年齢に関係なく、欲を持ってできる環境だと思う。自分も若手ですし、楽しくやれたらいいと思います。先輩ばかりなんで、負けないように。自分はあまり上下関係とか思ってなくて、年下も後輩というよりチームメート、みたいな感じ。逆に先輩と思わなくていいし、楽しく、いろんな話とかできたらと思います。

少し前ですが初めて侍ジャパンに選ばれて、3月上旬の強化試合に出場させてもらいました。調整段階でしたけど、いろんな刺激がありました。4人の大学生とは同い年だったり、いろんな方としゃべる機会は多かったです。お互い聞いて聞かれる感じ。西武の隅田さんにはチェンジアップを聞きました。自分は変化球はカーブとフォークだけ。すぐにどうかっていうものじゃないですけど、これから投げたくなったら引き出しになるんで置いとこうと思って。チェンジアップは高校に入って禁止されるまで投げてました。引き出しから消えてましたけど、また入りましたね(笑い)。

4連覇に向けたシーズンが始まります。ファンがあってのプロ野球だと思ってます。楽しんでもらうのが一番。ファンの皆さんと一緒に喜べるように、頑張ります!(オリックス・バファローズ投手)

◆山下舜平大(やました・しゅんぺいた)2002年(平14)7月16日生まれ、福岡県出身。福岡大大濠では甲子園出場なし。20年ドラフト1位でオリックス入団。3年目の昨季は1軍戦初登板で開幕投手を務めた。西武を相手に5イニング1/3を1失点も勝敗無関係だった。シーズン16試合に登板し9勝3敗、防御率1・61。新人王を受賞した。名前は20世紀前半の経済学者、ヨーゼフ・シュンぺーターにちなむ。190センチ、100キロ。右投げ右打ち。愛称は「ペータ」。