ボクシングWBA世界ライトフライ級2位木村翔(30=青木)が23日、2階級制覇に向けて中国へ出発した。26日に同級王者カルロス・カニサレス(26=ベネズエラ)に挑戦し、WBO世界フライ級王座に続くベルトを狙う。「やり残したことはない。どこでやろうが世界戦ができる喜びがある。ぶっ飛ばしてベルトをとるだけ」と自信満々だった。

異例の階級を下げての世界再挑戦となるが、減量も至って順調という。リミット49・8キロに対して、自宅出発時で51・5キロだった。おかゆ、オレンジ、ヨーグルトなども食べてきた。「減量苦はない。練習で汗が出すぎてつらいぐらい」と笑う。

中国では5試合目だが、初めて撫州という地方都市となる。上海で4時間待ちして乗り継ぎ、南昌から車で1時間半かかり、現地到着は深夜となる。木村は「食べながら行きます」と言い、マッサージ師も同行して、体をほぐす準備も抜かりない。

世界再挑戦が決まって、都内のジムに見学にくる観光客も増えたという。「ベルトをとれば、人気に火が付いて、もっと有名になれる」。有吉会長も「またいい話がくるように勝ちたい」と期待する。

「今回は挑戦者。KOは意識している。打ち合いになるなら、打ち勝つ。足を使ってくるなら、追って捕まえるだけ。タイミングは逃さない」。ガウン、トランクス、シューズにグローブもお気に入りの黄色。今回は挑戦者を意識し、青とのツートンカラーにした。「成田空港で待っててください」と、王座奪回で凱旋(がいせん)帰国を宣言して飛び立った。