ボクシング元WBC世界スーパーバンタム級暫定王者亀田和毅(28=協栄)が名伯楽イスマエル・サラストレーナーとタッグを組み、3階級制覇を目指すことが16日、分かった。この日、成田空港からメキシコへ出発した亀田は「次の目標はこれしかないと思った。次戦からフェザー級で戦う」と明かした。7月にWBCスーパーバンタム正規王者レイ・バルガス(メキシコ)との統一戦で敗れてから約3カ月。大きな目標に向かって再スタートをきる。

次の挑戦へ背中を押してくれたのは、15年マクドネル戦の時に一時期指導を受けたサラストレーナーだった。バルガスとの試合を終えると、すぐに「もっと良くなるところがある。もしよかったら見てあげるよ」と連絡が入った。現役続行は決めていたが、その励ましを受け、さらに自信が深まった。10月いっぱいは第2の故郷であるメキシコで練習し、11月に米ラスベガスへ移動。サラス氏のジムで指導を受けながら、年内か年明けの再起戦を目指す。

スペイン語が堪能なだけに、キューバ出身サラス氏とのコミュニケーションも問題ない。世界のトップ選手が集まるジムで一から鍛え直すつもりだ。

バンタム、スーパーバンタムに続く、フェザー級での世界タイトルを狙うが、兄興毅はライトフライ、フライ、バンタムの3階級制覇を達成している。「来年ここで取ってまずはお兄ちゃんに並ばんと。自分は4階級はできると思っている。(亀田3兄弟の)3番目が1番強いと言われてきたので、次にいかないと」。この日着ていたパーカーのメーカーは「チャンピオン」。亀田は「気付かないので自分で言いますけど、わざわざ着てきたんですよ。チャンピオンになるんです」と笑った。「負けて、環境を変えるのは難しいですが勇気を持って挑戦する。そうすれば新しい風が入ってくる」。そう話し、いきいきとした表情で出発した。