日本相撲協会は10日、大嶽部屋所属の幕下力士が車を運転し、事故を起こしたと発表した。芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、同力士は9日未明に福岡県内で酒気帯びの疑いで車を運転し、ガードレールに激突した。同乗者、けが人はいなかった。福岡県警東署は酒気帯び運転による事故の疑いで捜査を進めている。同力士は成人、運転免許は所持していたという。

同力士は当初、東署や、師匠の大嶽親方(元十両大竜)に「自分はぶつけていない」と話していたが、疑問を持った協会顧問が問い詰めると「ぶつけました」と話したため、同親方が同署に連絡。同日夜に事情聴取を受け、事故を認めた。

同力士は大嶽親方の判断で今日11日からの九州場所は休場。協会は捜査の結果などを待って処分を決める。

協会は現役力士の車の運転を認めていないが、今年1月には、元幕内の大砂嵐が無免許運転で略式起訴され、引退した。

芝田山広報部長は「協会では研修を行ったり、コンプライアンスの徹底をはかっているが、非常に残念な思い」と話した。

大嶽親方は、大砂嵐も部屋に所属していただけに「前回の大砂嵐の件もあって『ファンを落胆させるな、協会に迷惑をかけるな』と、本当に口を酸っぱくして注意してきた。まさかという気持ち。言葉がないほどショック。頭を下げるしかありません」と謝罪した。

同力士が運転していたのは同親方の知人の車で、運転免許を持っていることも知らなかった。「免許を持っているのは、昨日初めて聞いた。高卒ですぐ入門したので(免許を持っているとは)これっぽっちも頭になかった。知らなかった時点で(親方)失格です」と平身低頭だった。