大相撲春巡業が19日、埼玉・行田市で行われ、大関高安(29=田子ノ浦)が稽古と「後輩指導」を精力的に取り組んだ。

18日は平幕栃煌山と9番取り、この日も遠藤、碧山と三番稽古を行った。計14番で9勝5敗。体重200キロ超の巨漢碧山に5連敗を喫する場面もあったが「いい稽古になった。圧力のある相手の方がいい」と、好感触を口にした。

15日から巡業に合流し、番数も徐々に増やしていく構え。「(まだ)長く相撲を取れない。基礎運動をしっかりやって、しっかり集中してできれば」と、スタミナを蓄えて実戦感覚を養っていく意向を語った。

この日は土俵外で若い衆に対し、すり足など基礎運動を教え込んだ。大勢の観客に囲まれながら、自らも大粒の汗をかいて実践。「若い衆に強くなってもらいたいし、自分の稽古相手にもなってほしい」と意図を説明した。

17日に東京・大田区で行われた巡業でも、土俵下で平幕阿武咲に対してじっくりと稽古をつけた。

「若い子に教えたい気持ちがずっとある。少しでも後輩のためになれば」

夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)が大関在位12場所目。兄弟子の元横綱稀勢の里(現荒磯親方)が引退した角界で、若手を引っ張り上げる覚悟を示した。