大相撲の横綱白鵬(35=宮城野)が6日、初日まで2週間を切った7月場所(19日初日、東京・両国国技館)に向けて、出稽古ができない現状に不安を募らせた。

電話取材に応じ「普段であれば来週辺りは出稽古ですからね。そこがどうか。ちょっと難しいけどね。今までないからね。そのまま場所を迎えるのはちょっと想像できないね」と心境を明かした。部屋には炎鵬、石浦の幕内力士2人がいるが、ともに170センチ前後の小兵。さまざまなタイプの関取を相手に調整を重ねたい意向もあってか「うちの部屋は関取は2人小兵ですからね。重さというのは…。でも場所があると協会が頑張っていると思うし、場所があるときはみんな支度部屋に集まるわけだからね。それを考えると1週間前に出稽古はあってもいいのではと思う」と話した。

自粛期間中は心身の回復に努めてきた。「4月から5月に入るまで約1カ月ほとんど動いてないですね。そういった意味で3月の古傷というのが良くなったし、逆に相撲が取りたいという気持ちになった」。相撲を取る実践的な稽古も徐々に再開。本場所に向けて気持ちは高まっている。

07年名古屋場所が新横綱で、今年の7月場所で横綱14年目になる。「今、現役横綱2人ですから。やっぱり土俵にいることが意味がある、この相撲というものに感謝したい」。史上初の無観客開催となった春場所では13勝2敗で44度目の優勝を果たし、綱の責任を果たした。「3月場所の経験があるので、経験を生かしていければ」と、異例続きの場所でも堂々と構えた。【佐藤礼征】