大横綱大鵬の孫、新十両の王鵬(20=大嶽)が、関取初白星を挙げた。

本来は押し相撲だが、貴源治に左四つ。右から抱え込み、まわしも取れない厳しい体勢だったが、グイグイ前に出て寄り切った。

初白星に「とりあえずよかったです。攻め続けられたのがよかった」。連敗スタートも、敗因を冷静に分析した。「時間の使い方が分からなかった」。準備運動から土俵へ。いつもの流れが、十両に上がってから大きく変化。そこについていけていなかった。

初日、2日目の反省をへて「今日は体が冷えずに土俵へ行けましたね」。時間の流れをつかみ、白星をつかんだ。

「(今までは)アップが早すぎたのが、ちょうど合ってきた感じです。自分は集中力もあまり長く続かない方なんで」。初白星で精神的にも軽くなった。「明日からは大丈夫です」。大横綱の系譜を継ぐ男が、ようやくスタートを切った。