インタビューに応じ、今後について語るみのもんた
インタビューに応じ、今後について語るみのもんた

3月26日の放送で日本テレビ系「秘密のケンミンSHOW」(木曜午後9時)のMCを勇退するみのもんた(75)が、先ごろ取材に応じた。同局「午後は○○おもいッきりテレビ」以来31年間続いていたレギュラー生活がひと区切りとなることに「正直ホッとした」と話し、今後は「70から90代のお嬢さんに向けた番組をやりたい」と明かした。※取材は2月17日に行ったものです。

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-31年間途切れなかったレギュラー生活にひと区切りですが、今の心境は。

みの 突っ走ってきたなあと自分でも思うので、正直ホッとしたね。レギュラーがなくなって悔しいという気持ちは全然なくて。「ケンミンSHOW」は特番入れると14年続いたし、「おもいッきりテレビ」「どうぶつ奇想天外」「学校へ行こう」「クイズ$ミリオネア」など、とにかく長寿番組に恵まれた。いい人生歩いてきたと思います。

-「ケンミンSHOW」は高視聴率の中での勇退ということで。

みの 10年以上続く番組は、逆に「どこで区切りをつけるか」という大事な問題を抱えている。数字が下がって尻すぼみで辞める、というのがいちばんイヤだったから、いい潮時だったと思います。視聴率がいいということは見ている人が多くいる分、悪口も多く書かれるしね。書き込みっていうの? もうほんと、ひどいこと書かれるんだから(笑い)。

インタビューに応じ、今後について語るみのもんた
インタビューに応じ、今後について語るみのもんた

-みのさんがネットの書き込みを見るとは意外です。

みの 僕から見ることはないけど、事務所の人間がくれるのよ。制作側も心配だろうしね。「寝てる」とか「食べてるだけ」とか、まあひどい(苦笑)。でも実際、タレントさんの名前が覚えられなくなったし、大声ばかりで話に起承転結がない今どきのおしゃべりについていけなくなった。久本雅美くんがうまくフォローしてくれたけど、やっぱり老いたなと。年が明けた時に自分の気持ちは決まりました。

-全盛期は早朝5時半からTBS「朝ズバッ」、昼から「おもいッきりテレビ」の2本の帯番組をハシゴして、夜は別の6、7本のレギュラー番組の収録。出ずっぱりの司会者ぶりがギネス世界記録に認定(06年、08年)されたりもしました。

みの そこから夜、飲みに行くんだもんね。よくやれたと思うよ(笑い)。本当に女房のおかげだね(靖子さん、12年死去)。しみじみそう思う。

インタビューに応じ、今後について語るみのもんた
インタビューに応じ、今後について語るみのもんた

-若者を中心にテレビ離れが進む中、今のテレビ界をどう見ていますか。

みの 笑いの量ばかり気にして、肝心の中身がついてこない感じ。大声や奇声ばかりで何言ってるか分からないんだよ(笑い)。発声やしゃべりを訓練した局アナにもっと出番を与えてほしいなあ。僕が尊敬してきたNHKの宮田輝さんや高橋圭三さんなんて、しゃべっている内容が目に浮かぶんだ。笑いが多いからいい番組ってわけじゃないんだよ。

-いい番組とは。

みの こちらが投げた球を受けとめてもらって、その球をじーっと見てもらって、考えてもらってフィードバックしてもらえるのがいい番組なんだと僕は思う。毎年たくさんのバラエティー番組が立ち上がるけど、それがないから長く続かなくてもったいない。テーマと、それをぶつけるターゲット層がはっきりしていることだね。最近はワイドショーも報道番組もお国とケンカしないし。『朝ズバッ』では、社会保険庁の問題とか出入り禁止になるくらいやり合ったけど。

インタビューに応じ、今後について語るみのもんた
インタビューに応じ、今後について語るみのもんた

-依頼があれば仕事は続けるとのことですが、今後やってみたいことは。

みの 自分が老いたと感じる分、高齢者に向けた何かをやりたいね。70、80でも頑張って働かなきゃいけない時代だけど、1人の人が多くてさみしいんじゃないかな。「おもいッきりテレビ」で僕が“お嬢さん”と呼んでいた中高年世代がいま、70、80、90代。そのあたりのお嬢さんに向けた番組をやりたいね。

-逆に新しいような。

みの 病院の待合室だけの放送とかね。気力も体力も弱っているとはいえ、80代90代元気だしね。待合室をもうちょっと充実させてあげたいなと。わはは。テーマもターゲット層も、ここまで絞っちゃっていいんじゃない?

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)