終戦70年を飾る映画「日本のいちばん長い日」(8月8日公開)の原田真人監督(66)が“前作”をぶった切った。

 19日、大阪市内で行われた先行試写会の舞台あいさつに出席。岡本喜八監督で1967年公開の同名作品について「岡本監督は好きですが、あの映画は面白くなかった」と語った。

 両作とも、太平洋戦争が終結した1945年8月15日に向けた混乱や、昭和天皇や内閣首脳の葛藤を描く点は同じだが、原田監督は岡本作品を「軍人が長髪だったり、軍人らしくない。昭和天皇も描かれていない。そうなるとやっぱり成立しないと思う」と批評した。

 一方で自身の映画についてはこだわりを強調した。「僕が知る限り、昭和天皇を俳優が演じたのは、2005年のロシア映画『太陽』のイッセー尾形さんが初めて。昭和天皇を描ける風潮が生まれた。だから、ちゃんと気品のある昭和天皇を描きたかった」と語り、本木雅弘をキャスティング。当時の侍従も取材した。また軍人のマナーなども細部にこだわろうと自衛隊にアドバイスを受けたりもした。「想像と事実を組み合わせることは難しかったが、やりがいでもありました」と話した。

 昭和天皇の信頼が厚かったとされる阿南陸軍大臣を演じた主演の役所広司(59)も一緒に登壇した。「映画を見た人に『ああ、こういうヤツなんだ』と思われるように…。部下に慕われ、部下に愛情を注ぎ、家庭人としても良き父、良き夫。軍人と天皇という関係だけでなく、人間同士としても気持ちが通じ合っていた人。とにかく『どんな人なんだ?』と、ずっと考えながら演じていました」。役作りにかけた思いを明かした。