ハリウッド映画とドラマでは運営方法に違いがあり、ほとんどの俳優はどちらか片方の業界で活躍している。はたして、映画俳優とドラマ俳優の違いは何なのだろうか?

 まずは、彼らが受けるオーディションに違いがある。高い演技力や、役に対する細かい指示を要求されるのは映画の方。通常、ハリウッド映画のオーディションは、キャスティング・ディレクターが演技をチェックし、その場で俳優の演技が撮影される。その映像が、他のプロダクションチームに送られ、俳優がキャスティングされるという流れとなっている。なんと、オーディションの合否が決まるのは撮影の一週間前ということも。過密なスケジュールに対応できるだけの、対応力も必要になりそう。

 一方ドラマでは、キャスティング・ディレクターの印象に残ることや、気に入られることが重要。映画とは違い、ディレクターがオーディションの最中に電話やメールをしていて集中していないことが多い。それに加え、クリエィティブ・チームからの指示がなく、演技に求めていることを想定できないため、かなり体当たり的なオーディションになることも。こちらのオーディションでは運も大切になってきそう。

 また、撮影スケジュールにも差が。映画俳優は、出番がある時とない時とでスケジュールにムラがある。映画撮影にかかる日程は、3カ月ほどで、1日に費やす時間は約12~17時間。間に2週間の休暇をはさみ、一気に撮影が行われる。一方、ドラマでは毎週決まったルーティーンがあり、例えばコメディードラマの場合、月曜日にミーティング、火曜日に衣装合わせ、水曜から金曜に撮影を行い、休日は次回の台本を覚える、といったスケジュールになっている。こちらも、1週間に費やす撮影時間は60~80時間ほど。

 他の違いは、彼らの給料の差。通常は映画俳優の方が出演料は多く、映画「アイアンマン3」(2013)に出演した、俳優のロバート・ダウニー・Jr.(50)が2012年から2013年を通して稼いだ金額は7500万ドル(現在の日本円にして約93億円)。一方、ドラマ界で最も稼ぐ女優と言われる、ドラマ「裁判官ジュディ」のジュディ・シェインドリン(72)の出演料は4700万ドル(約58億円)。しかし、安定した収入が得られるのはドラマ俳優の方で、映画俳優の場合、予測された映画の総合興行収入から給料が決められるため、出演作品によって大きな差がでることも。

 同じハリウッドでも、映画とドラマではさまざまな差がありそう。そんな所に注目して映画やドラマを見てみるのもおもしろいかも?

【ハリウッドニュース編集部】