女優水谷八重子(76)、浅丘ルリ子(75)、山本陽子(74)が主演する大阪・新歌舞伎座の舞台「平成の三婆(さんばば)」(9~28日)の取材会が8日、同劇場で行われた。

 3人の舞台共演は初めて。本妻の松子役の水谷は「私はこれまでもこの作品に出演させていただいておりますが、おふたりが違うので、なんだか新しいお芝居に挑戦するような新鮮な気持ちでいっぱいです」と意気込んだ。

 愛人の芸者、駒代を演じる浅丘は「私は初めてのお役で、やりたいように演じさせてもらっています。なんと言っても本妻さん(水谷さん)が、しっかりと受け止めてくださり心強いです」と話した。

 男の妹タキ役の山本は「水谷さんがほんと心の大きな方です。私自身、身を任せて飛び込んでおります。すごく安心して、お芝居の世界に入っていける気がします」と手応えを見せた。

 原作は1961年発表の有吉佐和子の小説。金融業者の男が急死し、男の本妻が住む屋敷に愛人と、男の妹が引っ越してくる。3人は70代になるまでともに暮らす。これまでも舞台化されてきたが、演出の石井ふく子氏(89)は「今回は『平成の三婆』として最後は平成28年4月、今現在の物語になります」と新しく構成された作品になることを強調した。最後に「昔と違って今は70代の方も本当にお元気、ヨボヨボなんてしていません。ご覧になった方が力みなぎる作品にしたい」と話した。