厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部などの合同捜査本部は25日、沖縄県・石垣島の自宅で同居人と大麻を隠し持っていたとして、大麻取締法違反の疑いで、元女優の自営業高樹沙耶(本名・益戸育江)容疑者(53)ら3人を現行犯逮捕した。麻薬取締部によると、高樹容疑者と同居人の男1人は容疑を否認。別の同居人の男1人は所持を認め、共謀を否認しているという。高樹容疑者は7月の参院選に新党改革から東京選挙区に出馬。医療用大麻解禁を訴え、落選した。

 逮捕された高樹容疑者は、麻薬取締部の調べに「私の家から発見された大麻は私の物ではありません」と話しているという。高樹容疑者とともに逮捕されたのは、いずれも同居人の会社役員森山繁成容疑者(58)無職小見祐貴容疑者(26)の2人。小見容疑者は容疑を否認。森山容疑者は「大麻は私の物です」と所持を認めながらも、共謀関係について、否認する趣旨の発言をしているという。

 3人の逮捕容疑は、共謀し、25日午前10時30分ごろ、石垣市の高樹容疑者の自宅内で、乾燥大麻数十グラムを所持した疑い。麻薬取締部は同日、自宅、コテージ、高樹容疑者の車を含む複数の車を捜索。これまでに、栽培などの形跡は見つかっていないという。

 同部は高樹容疑者らが以前から大麻を使用していた疑いがあるとみており、栽培、譲り受け、譲り渡しの有無についても調べる。

 麻薬取締部によると、「自宅」は、高樹容疑者が石垣島の市街地から離れた雑木林の中で経営するコテージ「虹の豆 浮世離れ」の近くにある。自宅は高樹容疑者が管理しており、森山、小見両容疑者と3人暮らしだったという。

 自宅敷地には数棟の建物があり、このうち数カ所で大麻が発見され、自宅内にいた3人が逮捕された。自宅からは、使用した形跡があったパイプ、巻紙などの喫煙具も押収された。麻薬取締部は、大麻とパイプの付着物の鑑定を進め、任意の提出があれば尿の鑑定も行う方針という。

 高樹容疑者は今夏の参院選で医療大麻解禁を訴えて落選。5月10日に行った出馬会見では「医療用大麻は世界ではいろんな医療機関で使われているが、我が国では麻薬という誤解を受けており、研究すら難しい」とした上で「海外の立証が真実なら、私たちの国で行われていることは人権侵害にもつながることではないか」などと主張。また自身について「これまでたくさんの誹謗(ひぼう)中傷を受けた」とも話していた。