歌手松山千春(60)が15日、デビュー40周年記念の全国ツアー東京公演を国際フォーラムで行った。

 自由奔放な“千春らしさ”はいつも通り健在だ。3曲目に「恋」を歌唱した直後。会場を埋める約5000人のファンが、さらに往年のヒット曲を求めている空気を察したのか「おい、(バンド)メンバー。曲目を変えるぞ」と言って急きょ「銀の雨」を歌唱。大声援を受けて、ライブ序盤から会場の心を瞬時にわしづかみにした。

 時事ネタトークの“千春節”も健在だ。「東京も大変ですね」。小池百合子都知事の話題に転じ、築地市場の豊洲移転問題から「小池さんの顔にも立派な盛り土がしてあって…。親からもらった立派な顔がある。スッピンでも構わないと思う」と、ビーンボール気味のトークを繰り広げた。

 今年7月、天国に旅だった大相撲元横綱千代の富士の九重親方の死も悼んだ。同じ北海道出身で同い年。「貢」「千春」と名前で呼び合う親友同士だった。「おれが、『貢、体が小さいのに頑張るな』と言うと、貢は『千春、おれたちは北海道の田舎者だし、バカにされないように頑張るべや』と言っていた」などと思い出を語った。「貢、もう1度、土俵に上がってくれ。頼む! 上がるだけでいい。土俵に上がってくれ」。そう絶叫した後で、親方のために作った曲「燃える涙」を熱唱した。

 この日は約2時間半で20曲を歌唱。ツアーは12月25日の北海道公演まで続く。