昨年のホリプロタレントスカウトキャラバンで最年少グランプリを獲得した新人女優、吉柳咲良(きりゅう・さくら=13)が29日、女優デビュー作で主演を務めるミュージカル「ピーターパン」(7月24日~、東京国際フォーラムホールCほか)の制作発表会見に出席した。

 冒頭、報道陣の前に現れると、堂々の歌唱披露で魅了した。「緊張がすごかったけど、裏でみなさんが『大丈夫、頑張れ』って言ってくれて、心から楽しんで歌えました」とホッと一息つくと、「実年齢がピーターに近いので、14歳、15歳になったらできない、13歳の今しかできないピーターパンをやりたい」と、大人顔負けのコメントで驚かせた。ピーターパンは37年の歴史をもち、榊原郁恵(58)に始まり近年では高畑充希(25)らトップ女優を輩出してきた。「歴代の方々を継いで、『今回もすばらしかったね』って思ってもらえるように頑張ろうと、今日あらためて思いました」と気合を入れ直した。

 フック船長役は鶴見辰吾(52)ウエンディ役は神田沙也加(30)が務める。吉柳のあいさつを受けた鶴見は「52歳にしかできないフック船長を演じたい」と笑わせ、神田は「瞳に説得力があって、中性的な魅力もあり、スポンジのような吸収力もある。初舞台は役者にとって大事なので、これからもやりたいと思ってもらえるように、サポートしていきたい」と、舞台女優の先輩として支えていくことを誓った。

 ピーターパンの見どころの1つが「フライング」だが、既に練習もしているという。高いところが大好きという吉柳は「超楽しい!」と満面の笑みを浮かべ、「お客さんの方を向いて飛べるよう、意識して頑張りたい」と、早くも観客を意識して練習しているようだった。

 タイガー・リリー役の宮沢佐江、ダーリング夫人役の入絵加奈子、ライザ役の久保田磨希、スミー役の石井正則、演出の藤田俊太郎氏も出席した。