山田洋次監督(86)が、平和な未来への思いを持ち活動している個人、団体に贈られる「澄和フューチャリスト賞」の表彰を受けた。「母べえ」「母と暮せば」などの作品で、戦争体験に基づいた平和への思いを描いたことが評価された。山田監督はスピーチで、「体の続く限りもっと映画を作りたい」と話した。

 現在「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ3」(来年公開)を撮影中。この日も、撮影現場に戻る予定を入れていた。

 表彰式後のパーティーでは、先ほどのスピーチよりもっと意欲的に「今日は晴れているから、早く現場に戻りたい」と、撮影日和になった空を見てうずうずしていた。山田監督はその時、走る時のような腕の形をしていた。手をぎゅっと握り、早く現場へ行きたいという気持ちが前面に出て、表情も声も本当に生き生きとしていた。映画作りが、現場が何よりも好きなのだな、と目の前で感じた。